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家づくりに役立つコラムを連載します

多くの方にとって、家づくりは一生のうちで一度きりで、最も高い買い物となると思います。
そんな大事な家づくりですが、計画を始めた時にはわからないことが多く、不安に思われる方もいらっしゃと思います。
そんな方のために、家づくりの専門家として、少しでもお役にたてる情報を発信していきたいと思います。

上手な資金計画について

 
家づくりを検討するときに、みなさんが一番気になるのがこの「お金=資金」のことだと思います。ここを「あやふや」な状態で進めていくと、どこかで無理が生じて予算不足になってしまったりして、結果的に計画を大幅に変更せざるを得ないことも起こりえます。
このようなことがないように、「資金計画」をしっかりと把握して計画を進めることが、家づくりの重要な最初のステップであるわけです。
 
そこで、今回はこの「資金計画」について、しっかり押さえるべきポイントを交えて解説したいと思います。
 

家づくりにおいての「資金計画」とは以下の部分を整理し把握することです。

 

「家づくりの総資金」 = 「自己資金」+「住宅ローン」

 
全額自己資金で建てるという方も中にはいらっしゃいますが、多くの人は「住宅ローン」を利用すると思いますので、この「自己資金」と「住宅ローン」のそれぞれを把握することがまずは重要です。
 

「自己資金」について

 
自己資金には大きく分けて2つの種類があります。
 

「ご自身の預貯金から捻出できる資金」
 「親族などからの援助による資金」

 
「ご自身の預貯金」については、基本的にその金額は把握していると思いますし、そこからどこくらい使っても良いのかの大枠のご判断は、それほど難しくはないと思います。
一方、「親族からの援助」については、期待できない方もいらっしゃるとは思いますが、現在は贈与税の控除等のメリットもありますので、一度ご両親にご相談してみるのも良いかと思います。
ここでご紹介する「住宅資金に関する贈与税の控除」というのは、直系の親族(ご両親やご祖父母)から住宅購入資金として贈与された資金については、一定の金額まで贈与税がかからないという特例のことです。
 

詳細については下記のとおりです
 
住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ・耐震等住宅 一般の住宅
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1500万円 1000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日 1200万円 700万円

 
通常、お金を贈与すると一定の利率の税金がかかるのですが、住宅購入の場合、上記のケースであれば上限の金額までは贈与税がかかりません。年間110万円の基礎控除も併せてこれを利用する方もいらっしゃいます。
ご夫婦名義にする場合は、それぞれの親から上限まで贈与を利用することも可能です。これは期間が決まっているので、可能なスケジュールであればご利用も検討ください。
 
 

「住宅ローン」について

 
「住宅ローン」は家を建てる時しか利用しないので、今一つよくわからないと考える方も多いと思います。しかし、この仕組みを正しく理解することで「いくら借りても大丈夫か」や「いくら借入できるのか」などの金額が把握できるようになります。
結果として、全体の資金計画も明確になるので、是非この機会に知っておいてほしいと思います。
 
「住宅ローン」というものは、以下の3つの要素から成り立っています
 

「月々の返済額(ボーナス時も含み)
「返済年数」
「借入金利」
 

この3つの数字をそれぞれ設定していくと、自動的に借入想定金額が算出されます。
家づくりを計画する方の中には、土地購入費や建築費などの家づくりかかる費用が明確になってから、初めて月々の支払いを考える方もいらっしゃいます。しかし、それでは冒頭に述べたように予算不足や計画変更にもなりかねません。
できれば初期の段階で上記の3つを検討しておくと、その後の建築計画もスムーズにいくはずです。
 

月々の返済額について

 
現在や将来の家計の状況などを踏まえて設定することになると思います。
現在の家賃や生活費等から考えて、「月々どのくらい支払いに充てても大丈夫なのか」の目安を設定してください。目安を立てるのが不安な方は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談をして、ご自身の将来的なライフプランニングを設計した上で設定すると安心だと思います。
関工務所でも、提携しているFPがおりますのでご希望の方はご相談ください。
 

返済年数について

 
最長で35年返済が可能ですが、年齢によっては35年以下となってしまうので注意してください。ちなみにフラット35の融資条件では完済年齢が満80歳となっていますので、35年の期間にするには45歳が限度となります。
 

「借入金利」について

 
現在は低金利の時代ですので、今から家づくりを計画される方にとっては幸運な状況だと思います。しかし、ここは「固定金利」と「変動金利」とがあり、どちらを選択するかで、その後の返済計画も変わるのでしっかり検討してほしいと思います。
 

「固定金利」の特徴

・最大35年間金利が変わらないので、長期の返済計画が立てやすい
・借入する時点の金利が基準になるので、現在のような低金利の時は有利
・代表的な金融機関であるフラット35の場合、審査基準が決まっているので借入予測が立てやすい
・借り入れ時点の金利は変動金利と比べると高くなる
・低金利期間が続いている間は不利となる

 

「変動金利」の特徴

・借り入れ時点の金利は固定金利と比べると低い
・低金利期間が続いている間は変動金利の方が得
・返済期間中に金利が変わるので、返済金額が上昇するリスクがある
・民間金融機関の場合、審査基準が違うので予測が立てにくい

 
「固定金利」と「変動金利」のどちらを選択するかは、考え方や資金状況にもよりますので、それぞれの特徴を理解した上で、最終的には個々でご判断していただくしかないと思います。
ただ、一般的に言えることは、「どちらが得か」という視点であれば、今後の経済状況を見ての判断となるでしょうし、「どちらが安心か」という視点でいけば「固定金利」ということになるでしょう。
返済計画に余裕のある方であれば、「変動金利」の金利上昇リスクに対応できるかもしれませんが、そうでない方は慎重に検討したほうが良いと思います。
ちなみに関工務所ではどちらも対応が可能ですので、お気軽にご相談ください。
 

金融機関の仮審査

 
そして、上記の「月々の支払い額」「返済年数」「金利」の設定をご自分でやっていただいた上で、実際に借り入れが可能かどうかは金融機関の審査が必要なります。
固定金利のフラット35では一定の基準が設けているので、ご自分の年収や年齢などから借り入れ金額の予測が建てられますので、事前にシミュレーションをしてみるのも良いと思います。
いずれにしても、実際には金融機関で「仮審査」を行うことをお勧めします。ご自分がどのくらいの融資が可能なのかの目安を決めてから家づくりに取り組むと、様々なことがスムーズに流れることになると思います。
特に、土地を購入してから家づくりを考える方にとっては、「どのくらいのご予算を土地購入費用に充当できるか」によって土地選びの判断が変わってきます。
前回の「土地の選び方」でも解説しましたが、「土地購入費用」+「建築費用」が「全体予算」となるので、ここで住宅ローン借入額の目途をつけてから進めることで、土地選びや建築会社選択の判断基準も明確になると思います。
 
 
このように、家づくりの初期段階で家づくりの全体の資金計画を明確にすることで、今後の自分たちの行動や判断基準が明確になってくることは間違いありません。
関工務所では、提携している金融機関もありますし、これらの資金計画の相談にも積極的にご対応しております。
計画の初期段階の方でもお気軽にご相談していただければ幸いです。
 

(株)関工務所 専務取締役 関敏孝

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