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アフターメンテナンス、点検の重要性について

 
ここまでのコラムでは、これから家づくりを検討される方にとって参考になると思われることを中心にいくつかお話してきました。資金や土地探し、住宅会社選びや建物の性能、契約の仕方など、建物を建てる際に少しでもお役に立てると感じて頂いたらうれしい限りです。
 
そこで今回は、実際のその家に住んでからの非常に重要な項目である「アフターメンテナンス」についてお話ししたいと思います。
 
工事が「着工」すると、やがて建物が「完成」して、最終的にお施主様に「お引渡し」となるわけですが、本来はそこがゴールではありません。そこからその家に長い間暮らしていくことを考えたら、お施主様にとっては「お引渡し」が新しい暮らしの本当のスタートであると言えるでしょう。それはある意味住宅会社にとっても同様です。
 
注文住宅は、電化製品や精密機械などのように、24時間管理された密室の工場の中で同じ製品を何万個も作るようなものではありません。
お客様のご所有の土地に、世界に一つだけの間取り、デザインの建物を、数か月掛けながら、多くの職人や業者が関わりながら、1棟ずつ造っていくものです。
よって、「完成してから何も不具合が起きない」ということは正直難しいことでもあります。もちろん、我々住宅会社としても、できるだけ不具合が起きないように努力はしているつもりですが、やはり、暮らしてから何かが起きることはどのお宅でもあります。
多くの部品を工場で製作している企画住宅の鉄骨プレハブメーカーでもそうなのですから、自由設計の木造住宅のように現場でゼロから造り上げる家では、それは避けて通れないテーマでもあります。
 
しかしそうは言っても、それに甘んじて努力していない住宅会社ではいけないと思います。
できるだけ不具合が起こらないような体制と、お引渡し後のアフターメンテナンスの体制が非常に重要です。
これについては、住宅会社によってスタンスや姿勢は大きく異なります。そして、なかなかわかりづらいことでもあります。住んでから初めて分かったというようなことも起こります。
なので、住宅会社に自分の家の建築を依頼する際には、そこもチェックして見極めてほしいと思います。
 
それを見極めるポイントは、大きく分けて3つあります。
 
① 引渡を受けてからも定期的に点検してくれる会社であるか
② 不具合が起きた時にどういう対応をしている会社であるか
③ 完成後の不具合をなくすように努力している会社であるか
 
これは、当社も群馬県に根差す地域の会社として、重要視して取り組んでいかなければいけないことだと強く感じています。ここをないがしろにしては、いくらデザインや性能にこだわって家づくりを行っていたとしても、本当の意味で信頼をいただける会社にはならないと思うからです。
 

①「引渡を受けてからも定期的に点検してくれる会社であるか」

 
これについては、その会社の独自の決め事があると思いますので、一度確認していただけると良いでしょう。例えば、1年点検、3年点検…など、お引渡し後の年数によって、定期点検が決まっている会社もあるでしょうし、逆に全く決め事を持っていないで「お客様から連絡があれば対応する」という会社もあると思います。
後者のパターンは、正直、あまりお勧めできません。建物の不具合というのは、お客様が気付かないで生じている場合もあります。また、気付いていても初期段階でそんなに困らないからお客様ご自身も忘れてしまっているということもあります。
そんなことが、後々大きな不具合にならないように、ある程度は住宅会社が定期的に点検してもらう方が絶対的に安心ということです。住宅会社としても、住んでから不具合が生じる可能性のある部分は、経験上わかっているケースも多いので、より早く見つけることもできます。
また、注文住宅の起きる不具合というものは、起きるとしたら完成後の数年で起きることがほとんどで、その間にそのポイントをしっかり抑えることで後々の不具合も防げるということも大きいです。
ちなみに関工務所では、お引渡し後、「1年、2年、3年、4年、5年、10年」というサイクルで定期点検をしています。つまり、5年目までは毎年点検しているということです。
この回数は、一般的な住宅会社に比べて多いと、お客様によく言われます。
当社がこのように5年目まで毎年点検している大きな理由は、お客様のメンテナンスをしっかり行うという目的はもちろんですが、後で述べますが会社の仕組みとして他にも大きな意味があると考えているからです。
また、当社の特徴としては、この定期点検とは別に10年以上たったお客様にも、1年に2~3回ほどお施主様のもとに「スマイルパートナー」という専門スタッフがお伺いして、コミュニケーションを図れるような体制を作っています。その中で、リフォームや改修などのご相談にも受けるようにしています。
この定期点検も、誰がどのように行っているかも是非確認してみてください。制度はあっても、実際にはあまり行っていない会社も現実には多く存在しているようですので、そこはしっかりと確認してみると良いと思います。
 

② 「不具合が起きた時にどういう対応をしている会社であるか」

これについては、実際に起きてからでないとその対応の善し悪しはわかりませんが、基本はすぐに対応してくれるかどうかを、営業担当者に確認すると良いと思います。
「お引渡しを受けてからの問合せ窓口は誰なのか」、「もしその方が退社したら誰に言えば良いのか」、「その時にはどれくらいの期間で対応してくれるのか」、といったようなことを質問してみると良いと思います。
アフター対応がしっかりしている会社であれば、そのような質問に的確に返答してくれるはずです。あやふやな返答の会社は少し注意が必要かもしれません。
 

③ 「住んでからの不具合をなくすように努力している会社であるか」

これは、①についてどんなスタンスでアフターメンテナンスに取り組んでいるか、が大きく影響すると思います。
そこでも少し指摘しましたが、どんなところで不具合が起きるかは、ある程度経験のある会社であれば予測ができます。逆にいえば、不具合が起きていることをできるだけ把握しようという会社であれば、その原因を調べて工事について改善させるための行動が可能になります。つまり、現場に「フィードバック」できることになります。
それも「工事に原因があったのか」「部材に原因があったのか」「設計に原因があったのか」など、会社全体として改善を進めていくことが可能となります。
 
ちなみに、当社ではここを非常に重要視しています。引き渡し後5年間は毎年点検を行っていることの大きな理由はここにもあります。
当社では、基本的にその工事を担当した現場担当者が定期点検を行うことにしています。それは、その現場を一番よく理解しているスタッフだから問題点も最も把握してくれるという理由です。担当者が退社した現場などもあるので、正直全ての現場がそうはなりませんが、その場合でも図面や仕様などを把握してから点検するようにしています。
そして、その情報は会社の全員で共有できるようにしています。補修や対応などの状況を社内全員で共有し、チェックできることで、対応の漏れなどを防ぐ効果があります。
当社も以前は、担当者のみに任せていたこともあるのですが、それだと情報が共有できなくて、対応も担当者次第となってしまうので、漏れや対応のまずさが発覚したこともありました。現在のこの形にしてから、そのような対応の遅れなどは激減しました。
特に当社では、無垢材や塗壁などの自然素材を多く使っているので、工業化製品や既製品などよりも、引き渡し後にどうしても素材が変化する可能性が多くあります。ある程度は、お客様もご了承の上採用していただいていますが、それらもノウハウを共有・蓄積することで、より最適な対応が可能となります。
 
最後に保証についてです。
現在は法律で、「構造躯体」「雨漏り」などの重要な部分については、引渡後10年間の保証が義務つけられています。そのための保険として当社では「住宅あんしん保証」のような保証保険会社に加入しています。これについては、10年以降も決められた点検やメンテンナスを行えばトータルで35年間の保証も可能です。
大手ハウスメーカーでは、もっと長期の保証を謳っているケースもありますが、その内容も会社によってまちまちなので、気になる方は確認したほうが良いでしょう。
 
当社では、10年以降も合計35年間の保証を持ちながら、定期点検でしっかりと不具合を解消していくことを徹底しています。そしてその先もお客様と定期的なコミュニケーションを取りながら、長いお付き合いの中で、リフォームや改修工事もご相談させていただくという形にしています。
もちろん、リフォームなどは当社よりも優良な会社があれば致し方ありませんが、できるだけその家に暮らしている限り、関工務所として責任もってサポートできる体制でありたいと考えて、これらに取り組んでいます。
 
「アフターメンテナンス」や「定期点検」というものは、会社として真剣に取り組むことが、当社の家に暮らすお客様の安心のためであることは大前提です。しかし、それに加えても、住宅会社としてより高いレベルに向かうための大きな役割を果たしていると改めて感じています。それは、当社だけでなく、どんな住宅会社でもそうなのだと強く思います。
このようなことも踏まえて、これからの住宅会社を選ぶ参考にしていただければ幸いです。
 

(株)関工務所 専務取締役 関敏孝